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婦人科ウィメンズセンター

子宮頸がん


 子宮頸部にできるがんで、発症にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが関与していることが分かっています。HPVはイボを作るウイルスで150種類以上ありますが、子宮頸がんの原因になるウイルスは13種類です。
 HPVに感染することで正常細胞が変化することがあり、これを異形成と呼びます。約10%でHPVが持続感染し、ゆっくりと病変が進行し、上皮内がん、浸潤がんとなっていきます。婦人科診察で観察、検査がしやすく、早期に発見することができ、比較的治療がしやすいため、定期的な子宮頸がん検診が重要になります。
 HPVに対する抗ウイルス薬は存在せず、特に性交渉開始前のワクチン接種による予防が最も効果的と考えられています。世界では子宮頸がん撲滅を目指してワクチン接種を推奨し、子宮頸がん罹患数の減少が報告されていますが、残念ながら日本においては遅れをとり、特に若い世代(特に25歳~34歳)で増加傾向となっています。

症状について

 異形成や上皮内がんの時期には症状はありません。がんが進行すると不正出血や性交時出血、においを伴う濃い茶色や膿のようなおりもの、水っぽいおりものがみられることがあります。
 さらにがんが子宮外まで進行してくると、腹痛、腰痛、尿や便に血が混じるなどの症状が出ることがあります。

検査について

①内診・直腸診、腟鏡診
 異形成、上皮内がんでは見た目では分かりませんが、進行がんになると目視することができます。進行がんでは内診や直腸診も併用することにより腟・子宮外へ広がっているかを確認します。
②コルポスコピー(腟拡大鏡診)、組織診
 特殊な染色とコルポスコープを用いて観察し、異常所見がある部位に狙いを定めて生検し、確定診断を行います。必要な場合は、診断目的に子宮頸部を円錐状に切除する円錐切除術を行うこともあります。

図1 コルポスコピー検査

図1:コルポスコピー検査
コルポスコープという拡大鏡を用いて子宮の頸部を観察する検査

図2 異形成からがんの肉眼的所見と組織診

図2:異形成からがんの肉眼的所見と組織診

③エコー、CT、MRI検査
 がんの大きさ、子宮外のどこまで伸展しているのか、リンパ節転移や他臓器への遠隔転移はあるのかを評価します。

図3 子宮頸がん

図3:子宮頸がん
子宮頸がんは進行すると腟や子宮体部、さらに子宮外に広がり、リンパ節や膀胱、直腸などに広がっていきます。

④膀胱鏡、直腸鏡
 膀胱や直腸にがんが広がっている恐れがある場合に行う検査です。泌尿器や外科の先生に依頼して検査を行います。
⑤腫瘍マーカー検査
 がんの補助診断目的や治療後の経過や治療の効果を見るために行います。子宮頸がんの場合は、SCC、CA125、CEAなどを測定します。

組織型、進行期→治療

 子宮頸がんは治療開始前に進行期を決定します。基本的には進行期と組織型に基づいて治療内容を決定します。
 手術療法はステージⅠ期(がんが子宮頸部にとどまっているもの)とⅡ期(がんが腟の一部または子宮頸部の傍の組織の一部まで広がっているもの)までになります。
原則として子宮全摘術の適応となりますが、ごく早期の病変で、若年にて子宮温存を行う必要がある場合には、円錐切除術を行います。
子宮全摘を行う場合には、子宮を少し広範囲に摘出する必要があり、これを広汎全摘あるいは準広汎全摘と呼びます。病状に応じて骨盤内や傍大動脈領域のリンパ節郭清を行います。広汎子宮全摘では膀胱の神経の近くを手術するため、術後に尿意が鈍くなる、尿の勢いが弱くなるといった排尿障害を認めますが、神経温存手術により程度が軽くなっています。
リンパ節郭清の合併症として、骨盤リンパ嚢胞と下腿リンパ浮腫が挙げられますが、近年は発症する確率は低くなっています。
術後は改めて摘出した標本を検査し、再発リスク評価を行い、必要な方に放射線療法や化学療法と放射線療法の併用治療を行います。
 ステージⅢ・Ⅳ期になるとがんが子宮頸部を超えて広範囲に広がっていたり、リンパ節へ転移したり、膀胱や直腸に浸潤していたり、遠隔転移しているため、手術で摘出することが困難です。そのため化学療法と放射線療法の併用療法、放射線療法、化学療法を行います。

図4:動注化学療法前後

図4:動注化学療法前後
左図は治療前、右図は治療後になります。子宮動脈から抗癌剤を注入し、腫瘍が縮小しました。この症例は、その後手術療法を行い、子宮を摘出しました。


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