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血管外科

 愛知県内でも限られた血管を専門とした外科医が常勤している病院です。

 下肢静脈瘤治療用デバイス「VenaSeal」が保険適用されました。静脈内にカテーテルを使用して生体接着材を注入し、閉塞する低侵襲な治療法を血管外科では2020年から導入しております。

医師一覧

  • 血管外科 中島 正彌 日本外科学会専門医、下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医・指導医、麻酔標榜医、脈管専門医、血管内治療専門医、臨床研修指導医
  • 血管外科 小林 昌義 (非常勤)

その他のスタッフ

看護師 松本 昌樹(皮膚・排泄ケア認定看護師)
松浦 美都(皮膚・排泄ケア認定看護師)
検査技師 高木 雅子(CVT [血管診療技師])
稲葉 満香(CVT [血管診療技師])
佐々木 加代子(CVT [血管診療技師])
放射線技師 興梠 徳朗、奥野 秀雄、竹内 稔晴、浅井 満良、坂部 政俊
堀尾 裕司、渡邉 恵介、小泉 勝輝、平岩 彩佳、寺島 孝倫
臨床工学技師  中谷 環、矢野 洋子、石川 健太郎、羽田野 浩史、中嶋 友香
山内 大亮、下田 実穂、大岡 拓也

 

 

【NEW】 下肢静脈瘤治療用デバイス「VenaSeal」が保険適用されました

 下肢静脈瘤治療用デバイス「VenaSeal」が保険適用されました。静脈内にカテーテルを使用して生体接着材を注入し、閉塞する低侵襲な新しい治療法です。2020年から血管外科では導入しております。

 下肢静脈瘤塞栓術:VenaSealはカテーテルを治療する血管内に挿入し、接着剤:シアノアクリレートを注入して血管(表在静脈)を閉塞する治療法です。臨床試験において治療後3年で94.4%の閉塞率が報告されております。血管径12mm以下の大伏在静脈及び小伏在静脈瘤をもつ患者さんが対象となります。

 VenaSealは、熱による血管内焼灼術:レーザーもしくはラジオ波と比べて、熱焼灼による皮膚や神経障害など、周辺組織への影響や痛みが少ないといった低侵襲性が大きな特長です。また、血管内焼灼術では合併症の予防や対策として必須であった局所浸潤麻酔、さらには弾性ストッキング着用が、本治療法では不要となるため、麻酔時の痛みや術後ストッキングによるストレス軽減も期待できます。

 

venaseal01

 

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下肢静脈瘤 血管内焼灼術:レーザー治療  新機種導入しております。

 下肢静脈瘤血管内レーザー治療「ELVeSレーザー980」から、より合併症の少ない「ELVeS1470」を2016年から導入しております。治療適応は 一次性下肢静脈瘤(血管径20mm以下の大伏在静脈瘤又は小伏在静脈瘤)となっており、患者さまにおける伏在静脈本幹の血流遮断に使用となっております。

 前機種と術後合併症を比較すると、術後皮下出血54% → 7%  術後創部疼痛 23% → 6% と報告されております。(詳しくは下記資料をご覧ください。)

980・1470比較

 

治療実績

 血行再建術(血管内治療、バイパス手術または両者を同時に行うハイブリッド治療)が必要な重症動脈硬化症が年々増加傾向にあります。MRI、CT(angiography,3D)画像検査件数も増加しており、血管造影件数は減少傾向にあります。当科では2012年から下肢静脈瘤血管内焼灼術を導入しており、手術症例数は年々増加傾向にあります。

血管造影 血管内治療
(バルーン拡張、ステント留置)
動脈バイパス等
外科手術
下肢静脈瘤手術
2004年4月 30件 2件 7件 12件
2005年 56件 9件 19件 14件
2006年 55件 21件 16件 9件
2007年 90件 34件 8件 23件
2008年 127件 60件 14件 26件
2009年 140件 70件 19件 23件
2010年 156件 84件 8件 23件
2011年 152件 96件 15件 20件
2012年 166件 114件 10件 46件
2013年 147件 92件 16件 108件
2014年 109件 76件 24件 135件
2015年 100件 49件 23件 136件
2016年 76件 46件 28件 176件
2017年 16件 46件 13件 168件
2018年 15件 45件 14件 121件
2019年 13件 44件 22件 111件
2020年 8件 38件 12件 81件
2021年 6件 53件 21件 106件
2022年 6件 52件 15件 78件
血管造影 血管内治療
(バルーン拡張、ステント留置)
動脈バイパス等
外科手術
下肢静脈瘤手術

診療案内

【外来】 月・火・木曜日 午前8:30~
【手術】 月~金曜日

 

Vascular Team K

 “両足は二人の医者” ローマから伝わることわざです。

  「知多半島から足の切断をなくしたい」 

 これがわれわれチームの切なる願いです。米国のデータでは下肢切断術後 約70%の患者様が5年以内に死亡しているといわれております。動脈硬化だけでなく、糖尿病による下肢創傷に対しても、下肢を救うためのチームがここにはあります。

 何か気になる症状がある患者様だけでなく、医師、看護師をはじめとする医療従事者、動脈・静脈を問わず脈管学に興味のある方、我々といっしょに真摯に熱く診断・治療に取り組みたい方はいつでも見学にお越し下さい。連絡お待ちしております。

※当院では、血管外科医、放射線科医、看護師、放射線技師、臨床工学技士、検査技師らと月一回、vascular conferenceを開催しております。(写真)

カンファレンス20170315

 

vascular treatment scenery

※クリックすると大きな写真を見ることができます。

A1 どんな病気であろうとも診断・治療には、Dr・Nsだけではなく、RT・CE・CVTなどの専門技師もみんなで診断・治療に携わっております。当院では月一回チームカンファレンス実施しております。
関連論文 >> 「末梢動脈疾患における下肢虚血性疼痛に対するプレガバリン内服の効果」末梢動脈疾患における下肢虚血性疼痛に対するプレガバリン内服の効果
B1 当院では下肢動脈バイパス術も施行しております。
関連論文 >> 「Left Subclavian Artery Occlusion: Femoro-Axillary Artery Retrograde Bypass」
VSI2016
B3 足の動脈硬化は70才以上の男性、喫煙、糖尿病の人にリスクが高く、患者数は400~600万人と推定されております。 C1 重症虚血肢・糖尿病性下肢壊疽,下肢切断回避のためにチームで足を救います。
(持続陰圧吸引療法はWOC認定看護師主導で施行しております。)
C3 当院では血管内治療にも力を入れており、良好な低侵襲治療成績をあげています。 D1 造影剤アレルギーの患者様に、炭酸ガス造影、エコーを併用して血管内治療をしております。
関連論文 >> 「慢性腎不全を合併した膝下病変を伴う閉塞性動脈硬化症に対して炭酸ガス造影を用いた血管内治療が有用であった1例」慢性腎不全を合併した膝下病変を伴う閉塞性動脈硬化症に対して炭酸ガス造影を用いた血管内治療が有用であった1例
D4 血管内に脂肪がたまる動脈硬化は、脳や心臓だけでなく、足の血管にも起こり、悪化すれば切断の恐れがあります。バイパス手術だけでなく、血管内に金網の筒(ステント)を入れる治療や風船(バルーン)で広げる治療を積極的に実施しております。
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