各部局について

薬剤部

【 薬剤部の基本理念 】
患者さま、スタッフから信頼され、医薬品の適正な管理・供給に努め、最適な薬物療法を実践する。

【 薬剤部の基本方針 】
1.医薬品の品質・有効性・安全性を確保し、適正な使用に努めます。
2.最新の医薬品情報の収集に努め、迅速な情報伝達・対応を行います。
3.職種間のコミュニケーションを大切にし、最善のチーム医療を推進します。
4.高い知識と技能を維持するよう、常に自己研鑽に努めます。

薬剤部 代表挨拶

 医療現場での薬剤師・薬局の関与は多方面に渡ります。薬の専門職として、その専門性と役割分担を常に意識し、医療の中で求められる部門として位置づけられるように努力していきます。  薬剤部 副技師長 澤田昌司

  薬剤部 スタッフ

   薬剤師8名、事務員1名

調剤業務

 調剤業務とは医師の処方せんに基づき、患者さまが薬を安全、適切に使用できるように調合する仕事です。当院では平成27年5月、新病院に移転以降から電子カルテシステムを導入しています。医師がオーダーした処方に対して、薬の用量、用法は正しいか、飲み合わせの悪い薬がないか、薬の重複がないか等を薬剤師がチェックし、処方に少しでも疑問があれば医師に確認をした後に調剤しています。入院患者さまの処方は自動錠剤分包機を用いて1回服用分ずつ包装し、入院患者さまへの薬の投与が安全に行われるよう支援しています。

注射調剤業務

 医師が処方した注射せんに基づき、入院患者さまの注射薬を個人別にセットして各病棟へ払い出しています。注射薬についても、薬の量、投与方法、配合変化、相互作用等をチェックし、処方に少しでも疑問があれば医師に確認しています。当院では平成27年5月新病院へ移転の際、注射薬自動払出装置を導入し稼働を開始しました。機械により効率的に注射薬を取り揃え、きめ細やかな個人別注射セットをすることで、リスクの高い注射薬がより安全に、正確に患者さまへ使用できるように支援しています。

製剤業務

 患者さまの治療・診断に必要な市販されていない薬を、医師からの依頼により安全性、有効性、調製方法などを十分に検討した上で調製しています。また、消毒薬の希釈・滅菌を行ったり、無菌環境を必要とする点眼薬等は薬局内のクリーンベンチ内で無菌的に調製します。

薬剤管理指導業務

 入院された患者さまご本人またはご家族さまと面談をし、普段使用されているすべてのお薬や市販薬、健康食品等の内容、服薬の状況を確認し、飲み合わせやアレルギー歴・副作用歴の確認をしています。得られた情報は医師・看護師と共有することにより適切な薬物療法が行えるよう支援しています。またお薬の使用前には疾患や症状、年齢、体格、腎臓や肝臓の機能などを確認したうえで、投与量、投与速度に問題がないか、注射薬と内服薬との組み合わせが問題ないかを確認しています。

 お薬を使用する際には効果や飲み方(使用方法)、起こり得る副作用とその対処法の説明を患者さままたはご家族さまに行います。お薬の使用後には効果が出ているか、副作用が出ていないかを確認しています。その上で内容を医師へ伝えお薬の処方設計や提案をしています。

 患者さまが退院される際には、自宅でも安心して生活していただくためのお薬の情報、服用上の注意点などをお話したうえで、持参していただいたお薬手帳にお薬の情報を貼付させていただきます。また退院後も薬の服用がしやすいように薬の剤形を変更したり、一つの袋にまとめたり支援します。必要があれば地域の調剤薬局の薬剤師さんに情報提供をします。

がん化学療法業務

 抗がん剤による治療を患者さまが安全に受けられるよう、次のような業務を行います。

 1.がんの種類や進行度により使用する薬の種類や量が異なります。当院では、抗がん剤による治療を統括する「化学療法委員会」により当院で行われるすべての抗がん剤治療の治療内容を管理しています。

 2.医師の抗がん剤注射オーダーにもとづき、患者さまへの抗がん剤投与前日までに、投与される薬剤の種類、投与量、投与間隔などを薬剤師がチェックをし、薬剤の取り揃えをします。内容に少しでも疑問があれば医師に確認します。

 3.投与当日、医師の診察後治療を行うことが決まると、薬剤部にて薬剤師が抗がん剤を無菌的に調製します。抗がん剤の調整には「安全キャビネット」を使用し医療従事者にも患者さまにも安心・安全な抗がん剤治療を提供しています。

医薬品情報管理業務

 医薬品情報(Drug Information:DI)管理業務とは、医薬品に関するさまざまな情報の収集や提供を行い、医師、看護師などの病院職員に情報提供することで、患者さまがより良い薬物療法を受けられるように支援する業務です。厚生労働省や各製薬会社から発表・発信される副作用などのさまざまな重要な情報をDI室で一元管理し、必要な情報を迅速に院内に伝達出来るようにしています。

薬品管理業務

 病院で必要とされる医薬品の購入・保管・品質管理を行っています。また、麻薬、向精神薬、毒薬、劇薬などは関連法規に基づいて適切な管理を行っています。

チーム医療への参加

 医療の現場では、多くの職種が一体となってその責務を果たしています。薬剤師も積極的に介入しています。

栄養サポートチーム(NST)への参加

 NSTは、「Nutrition Support Team」の略語です。入院患者さまに最良の栄養療法を提供するために、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、言語聴覚士など職種を越えて構成されるNSTの一員として活動しています。

 NSTは週1回の回診にて入院患者さまの栄養状態を評価し、適切な栄養療法を提言・選択・実施します。そして患者様の栄養状態の改善・治療効果の向上・合併症の予防・QOL(生活の質)の向上・在院日数の短縮などを活動目的としています。

感染制御チーム(ICT)への参加  (写真掲載)

 ICTメンバーによる感染予防策ラウンドを月に1回、医師・看護師・検査技師・薬剤師による環境ラウンドを週に1回行っています。環境ラウンドでは、消毒薬の適正使用(使用濃度・使用期限のチェック、手洗いおよび手指消毒の指導)や、物品の配置等が適切に行われているかを巡回して確認しています。

 また、広域抗菌薬の届出の確認や、投与期間・投与量などが適切に行われているかを薬剤師の視点からチェックし、抗菌薬や消毒薬の使用状況を把握しています。

 当院は全国で4番目となる特定感染症病床を有するため、名古屋大学と愛知医科大学の支援を受け、毎週感染専門医とともに症例検討をおこなっています。

褥瘡対策チームへの参加

 褥瘡(とこずれ)の予防と治療・看護には多方面からのアプローチが不可欠であるといわれています。医師、看護師とともに週に1回ラウンドを行い、疾患・治療・栄養を考慮した治療支援を行っています。

糖尿病教室、骨太教室、慢性腎臓病(CKD)教室への参加

糖尿病教室

 糖尿病治療は、神経障害、網膜症、腎臓障害などの合併症を予防するためにも早くから取り組むことが大切です。そのため、患者さんやそのご家族に正しい知識をもって取り組んでいただくことが重要と考え、糖尿病教室や糖尿病教育入院を行っています。糖尿病教室のスタッフとして薬物療法の講義を担当し、糖尿病患者さんの治療を支援しています。

骨太(ほねぶと)教室

 骨粗鬆症になる人の割合は年齢が高くなるほど上がり、50歳以上の女性の3人に1人が骨粗鬆症にかかっているといわれています。厚生労働省の調査によると、女性が要介護となる原因の第5位は「骨折・転倒」によるものとされています。 この「骨折・転倒」は、ちょっとしたことで転倒し、それがもとで骨折してしまうことで、その背景には骨粗鬆症が影響していると言われ、骨折してしまうとそれが寝たきりの原因になるとも言われています。骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。当院では骨太教室を開催し、骨粗鬆症とは何か、また骨粗鬆症の食事・薬・運動について医師・栄養士・薬剤師・理学療法士が講義を担当し、ご希望者には骨密度の測定、検査結果のご説明をしています。

腎臓病(CKD)教室

 腎臓病の患者さんができるだけ長く腎機能を保ち、末期腎不全の進行および透析導入を遅らせるために、患者さんやそのご家族に正しい知識をもって取り組んでいただくことが重要と考え、腎臓病教室を開催しています。腎臓病教室のスタッフとして薬物療法の講義を担当し、腎臓病患者さんの治療を支援しています。また、透析導入患者さんに対しては透析教育も行っています。

院外薬局の皆様へ

吸入指導

 デバイスごとに知多半島統一吸入指導箋を作成し、それを元に吸入指導を依頼させていただいております。患者様が指導箋を持参された場合や院外処方箋に吸入指導依頼のコメントがある場合は、指導箋に従った指導をお願い致します。報告は当院薬剤部までFAX(0569-36-3507)をお願い致します。

 

外来化学療法

 当院では化学療法導入やレジメン変更時などに、化学療法計画書等をお薬手帳に貼付し情報共有を図っております。 化学療法実施患者の服薬状況や副作用などに関する報告・その他気になる点がありましたら、当院薬剤部までFAX(0569-36-3507)をお願い致します。

がん化学療法レジメン (準備中)

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知多半島エリアの薬薬連携を考える会

 保険薬局と医療機関が連携し、安全な薬物療法を継続して患者さんに提供することは重要です。そこで、知多半島エリアの保険薬局と医療機関の連携を強化することを目的とし、知多半島エリアの5つの医療機関(公立西知多総合病院、国立長寿医療研究センター、知多厚生病院、常滑市民病院、半田市立半田病院(50音順))で「知多半島エリアの薬薬連携を考える会」を立ち上げました。現在では、4つの保険薬局も加わり共に活動をしています。

 本会は、現在特に抗がん剤の薬薬連携に力を入れております。抗がん剤治療については、治療内容により使用される抗がん剤・治療期間・投与量が多岐にわたっており、医療機関からの情報提供が必要になります。薬薬連携を実践することで、保険薬局の薬剤師が治療内容の把握、副作用や相互作用などの確認が行え、地域全体で患者さんをサポートすることができるようになります。しかし、抗がん剤治療の情報提供方法が医療機関ごとに異なると、様々な医療機関からの処方箋を扱う保険薬局は情報の整理が難しくなります。そこで、知多半島エリアで共通のツールやシステムを構築するために、5つの医療機関で共通の化学療法計画書を作成し、お薬手帳に貼付しています。

 

VISION(目標・夢・志・方向性)

 癌医療に強い知多半島をつくります

MISSION(使命・目的・役割・存在意義)

 知多半島の薬剤師が連携し、患者中心の安心で安全ながん医療を提供します

GOAL

①交流:知多半島の薬剤師および他職種との積極的な交流を行い、頼り合える関係を目指します
②情報共有:すべての薬剤師が適性かつ効率的な処方監査、副作用管理が出来る仕組み作りに取り組みます
③知識向上:定期的に研修会を企画・運営し、知多半島の薬剤師の知識向上を目指します
④広報活動:広く我々の活動成果を公開し積極的に発信します

薬剤部見学会案内

 就職を希望する学生の方や研修を希望する方など、薬剤部内を見学する機会を設けています。日程を決めていますが、随時、受付致しますので、気軽にお問い合わせください。

 常滑市民病院 (0569)35-3170(代表)

※見学希望の方は、お電話口で「薬剤部の見学希望」とお伝えください。

新人薬剤師の声① (入職2年目 女性職員)

入職の決め手

 入職前に当院を見学した際、薬局をはじめ、病棟や特定感染症病床や検査部等部署を案内して頂きましたが、スタッフの皆さんがとても気さくで、温かい雰囲気に惹かれたことが一番の決め手です。また、調剤・注射・化学療法・病棟業務等様々な業務を1つに偏らず行うところも魅力的でした。

入職して感じたこと

 アットホームな職場で居心地良く働かせて頂いています。日々知識不足を痛感しておりますが、わからなくて不安なことも優しく教えて頂き、のびのびと働ける職場だと感じています。当院は急性期病棟と地域包括ケア病棟、回復期病棟があり、急性期から慢性期まで継続して患者さんを担当するため、他の急性期のみの病院より長くみることができ、患者さんと長く関わることができます。

新人薬剤師の声② (入職1年目 男性職員)

入職の決め手

 当院を一度見学させていただいたときに、薬剤部の雰囲気がとても良く、働きやすい職場だと感じたことが一番の決め手です。また、当院は急性期から回復期の病棟があり、そういった環境の中で患者さんのために働きたいと思ったのも入職理由の一つです。

入職して感じたこと

 日常業務としては内服薬や注射剤の調剤、抗がん剤の調整、6月からは病棟での服薬指導業務も行っています。しかし、わからないことが多く、知識不足を日々痛感しています。他の医療従事者から信頼される薬剤師になれるようにしっかりと知識をつけ、少しでも患者さんのお役に立てるように精一杯頑張っていきたいと思います。

新人薬剤師の声③ (入職1年目 女性職員)

入職の決め手

 学生時代の病院実務実習を経験し、病院で働きたいと思いました。また、地元が常滑市なので、小さい頃から住んでいる町で地域のために薬剤師として働きたいと思い、市民病院へ入職いたしました。

入職して感じたこと

 初めは不安に思うことも多々ありましたが、働いているうちに自分に合った職場だと思うようになりました。わからないことや疑問に思うことは、先輩方が親身になって教えてくださるので、毎日が勉強になります。薬剤部の先生たちは皆さん、気さくな方が多く、とても優しいので、働く環境は本当にいい場所だと感じています。

 市民病院へ就職して、楽しく一緒に働けたらうれしいです。