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最新治療

薬物溶出性ステント(Drug Eluting Stent: DES)

 従来のステント治療では残念ながら治療した冠動脈の同じ場所が20%~30%の頻度で再狭窄が起こり、再治療が余儀なくされることが大きな課題となっていました。再狭窄は冠血管形成術後における修復機転の一つである血管内膜や中膜細胞の形成および増殖が原因とされています。

 薬物溶出性ステント(Drug Eluting Stent: DES)はステント表面に細胞増殖を抑制する薬剤をコーティングした画期的なステントです。 これにより再狭窄率は2〜8%と飛躍的に減少しました。薬物溶出性ステントの保険認可に伴い当院においても2004年秋より積極的に使用し、1年間半経過した現在までに約50名弱に留置しており、治療後6ヶ月以内の再狭窄率は0%で1例も再狭窄を認めておりません。

 ただし慢性期にステント内で血栓が生じやすい可能性があり、そのために少なくとも3ヶ月間は強力な血栓予防薬を服用する必要があります。あらかじめ大きな手術を予定している場合や血栓予防薬で副作用の出る場合には残念ながらこの薬剤溶出性ステントを使うことができません。この場合は従来のステントを使用することになります。 どうぞ皆様方のご理解をお願いいたします。

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写真:ステントにコーディングしてある薬剤が血管壁内に溶出し再狭窄を防ぎます。

 

その他の医療技術

経皮的冠動脈形成術(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)

 心臓の血管(冠状動脈)が、動脈硬化によって細くなってくると狭心症や心筋梗塞を引き起こすことが知られています。循環器部門では、狭心症などの冠動脈疾患を早期に発見してカテーテルとよばれる細い管を用いて心臓の血管を開大する経皮的冠動脈形成術(PCI: Percutaneous Coronary Intervention)を行っています。 バルーン(風船)を用いて開大する方法、ステント(特殊な合金による金属を網の目状にした筒)を血管内に植え込む方法などがあります。

 

バルーン、ステント

 1.まずカテーテルを、心臓カテーテル検査の時と同様に、足の付け根や手首の動脈から局所麻酔下で冠状動脈の入口部まで挿入します。

 2.このカテーテルの中を通して、髪の毛くらい細いワイヤーを冠状動脈内に挿入し目的とする病変部を通過させます。通過したワイヤーに沿わせて先端にバルーンのついたカテーテルを病変部に進め、そこでバルーンを数十秒間拡張させて病変部を開大させたらバルーンを抜去します

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 3.ステントを植え込む場合は、この後バルーンの上に装着したステントを病変部へ進め、そこでバルーンを拡張させステントを血管壁に押しつけて植え込みます。

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 4.バルーンのサイズはいろいろあり、冠動脈病変によっては数個のバルーンを使用することもあります。バルーン拡張中の数十秒間は、冠動脈末梢への血液の流れは停止するためその間、胸の痛みを覚えますが、バルーンを抜去すると、速やかに胸の痛みは消えます。

 5.冠動脈の狭窄部が“風船治療”を行うのに難しい場所にあったり、病変部の形状がこの治療法では危険を伴う時、また複数の個所が狭くなっている時は、冠動脈バイパス術が必要になります。

 

 最近では手首の動脈からこのような治療を行うことも多く、この場合治療後の安静も短時間ですみ、したがって入院期間も短く狭心症であれば2泊3日で治療可能です。比較的高齢の方や腰痛持ちの方にも負担の少ない治療となっています。